キッチンの壁をカット

キッチンとリビングをつなげる
大開口を作るDIYを実践

キッチンとリビングがつながるオープンなスペースに魅力を感じるユーザーも多いでしょう。しかし古いマンションでは各部屋は壁で仕切られているケースが多く、キッチンは隔離された環境の間取りがほとんど。そこで今回はDIYでキッチンとリビングをつなぐ壁をくりぬいた千葉県のえつこさんのDIY施工例を紹介します。なるべく手軽にユーザーレベルでも可能な方法で壁抜きを実践したのがこの実例のポイントです。

今回取材にうかがったのはマンション「つぼみハイツ」。運営するえつこさんはハイツの一部屋をレンタルスペースとしてリノベーションすることをプランして徐々にリノベーションを実践しています。これまでにも仲間を集めて床張りや壁塗りなどのワークショップを開催していたセルフリノベの実験的なお部屋です。

技術的なハードルが高そうな
壁抜き作業を比較的手軽に実施

そんな中で持ち上がったテーマが「壁抜き」。ユーザーレベルではかなりハードルが高い施工だと考えがちですが、プロレベルの仕上がりを求めるのではなく安全かつ簡単に施工することを優先したといいます。もちろん仕上がりの美しさを高める工夫も随所に込めています。またプロのアドバイスを受けつつ施工を実践しているのも安心材料ひとつだったと言います。

問題の「壁」はキッチンとリビングを隔てる面です。キッチンに立つと目の前は壁、しかしここをオープンにするとリビングさらにはその先の窓までが見渡せるオープンな空間を作ることができます。壁抜き作業の下準備は、まずは壁の素材を見極めることからはじまりました。部分的に壁を砕いて内部を確認。すると石膏ボードにモルタルを加えた構造でした。石膏ボード+壁紙に比べるとかなり固くて手強そう……。

DIY作業を簡単&安全にする
アイデアを駆使して完成度アップ

次にカットする開口部を決めます。キッチンですから壁の下方向にはガスや水道などの配管があることが予想されます。ここをカットするのはかなりのリスクを伴います。そこで開口部は胸あたりの位置より上を想定しました(元々貼られていたタイルに合わせた)。水平器などを使って開口部のアウトラインをマーキングしていき、それに沿ってカットします。

ここでユーザーレベルで壁抜きをするコツその1。丸ノコを使って壁面をカットするのはある程度の経験が必要なので、今回使ったのはグラインダーです。これなら比較的安全で少しずつ壁をカットしていけるので経験値の低いユーザーでも作業がスムーズ。

こうして壁を想定通りくりぬいていくのですが、グラインダーを使って切断した面はピタリと美しいカット面にはなりません。凹凸が残りそのままでは仕上がりとしては使えません。カット面の内側には板材を張っていきますが、壁とのすき間ができてしまいます。ここを隠すのが脇に取り付けた板材です。床の幅木のような状態で開口部の周囲を隠す形状で張っていきます。これで板材とくり抜いた壁との隙間は目立たなくなります。これもユーザーレベルのDIYを成功させるコツのひとつです。

非常にレベルが高いと思われる「壁抜き」を比較的手軽にこなしたこのDIY。完璧なフィニッシュを求めるのではなく、うまく後処理を施して見栄えの良いスタイルを作ったのがポイントでしょう。

取材したえつこさんのブログもご覧ください
「えつこのDIYリノベ日記」