砂壁を水性ペイントで塗装

ホームセンターで手に入る
身近な道具や素材を使ってリノベ

3軒の中古住宅を手に入れてリノベーションを施した上で賃貸物件として貸し出しを予定しているという山梨県のMさんを取材してきました。中古住宅を丸ごとリノベーションするので、かなり作業量は多いです。しかも3軒を同時進行で進めているのですべてをセルフリノベでこなすのは難しいとのこと。
そこで大がかりな大工仕事や重要な設備などはプロの建設業者に任せて、自分でできるところはセルフリノベを楽しむというスタイルで趣味と実益を兼ねたリノベーションを実践しています。

そんなMさんのセルフリノベのアイデアをいくつか教えてもらったのでご紹介していきましょう。Mさんは特別な工具や部材などを使うことなく、基本的には近所のホームセンターで手に入るアイテムを使ってセルフリノベーションを実践しているのが特徴です。作業手順や施工方法はWebに掲載されている先輩の例を見て、自分流にアレンジして使ってるそうです。

ハードルの高い天井ペイントには
コテバケを使うと美しく仕上がる

最初に訪れたのは昭和の香り漂う木造二階建ての住宅。1階部分は大規模なレイアウト変更などもありプロにお任せ。二階の和室をセルフリノベーションしています。ここで注目したのは天井の塗りと壁の塗りです。

もともとの天井は木目が出た和風のテイストです。ここにクリーム系の塗料を塗っていくのですが、セルフの場合は天井ペイントはかなりハードルが高い作業です。ローラーを使って塗っていく方法もありますが、Mさんはコテバケという塗装用具を使って塗りました。ローラーだと塗りむらが出やすかったのが、コテバケを使うとかなり均一ぬ塗れたということから、天井塗装が初めてというユーザーにもおすすめのスタイルでしょう。

和室の砂壁を塗装するには
シーラーの下地処理がポイント

また壁ももともとは薄い緑色の和室にありがちな砂壁でした。ここにライトブルー系の水性ペイントを施して室内イメージをガラリと変えるのが狙いです。ただし、砂壁の上に塗料を塗ったのではどんどん吸い込まれてしまって思った色合いに仕上がりません。そこで下地にシーラーを塗ることにします。シーラーを塗る場合も砂壁は吸い込むので何度か(2度以上)に分けて、シーラーを重ね塗りして砂壁の表面を固めておきましょう。その上から臭いの少ない水性塗料を塗れば発色も良くキレイに仕上がります。

OSBボードを使って
畳敷きをフローリング化

さらにもう1軒の物件のセルフリノベ現状を見せていただきました。こちらのセルフリノベの目的は和室の畳敷きをフローリングにリノベすることです。難しい作業なしになるべく手軽な作業でリーズナブルに済ませるのがテーマとなります。

作業としては畳を外して、床板の上に適当な間隔で根太を敷いていきます。その上にOSBボードを敷き根太に他ピングで固定して行きます。これがフロアパネルになります。仕上げにクッションフロアを貼れば完成です(この時点ではまだ未施工)。ここで大切なのは、畳を外したときに床板から畳の上面までの距離を測っておくこと。これに合わせて根太+OSBボードの厚みを設定します(厳密にはクッションフロア分の厚みを差し引いた厚み)。これでフローリングを畳敷きの時と同じ高さに設定できます。

珪藻土を使ったランダム処理と
LEDによる間接照明がアイデア

この部屋は珪藻土を使って壁を塗り直しています。一般的な左官ごてを使った作業ですが、あえてランダムに塗ることで素人でも十分な仕上がりになっています。きれいな平面を出すことを考えると、少しの凹凸でも気になりますが、ここまで大胆に凹凸を付ければそれは“味”になるのが良いところです。また長押(なげし)の凹部分にLEDテープを仕込んで壁全体を間接照明で照らし出し、凹凸をあえて強調する演出をしているのも遊び心です。セルフリノベらしいアイデア満載の和室リノベが完成しました。