キット温室をDIY設置(前編)

アルミ+中空ポリカを使った
簡易タイプの温室を庭に設置

自宅の庭の空きスペースにDIYで温室を建てた茨城県のFさん。Web通販で購入した海外製のキットを組み立てることを計画しているとの話をうかがったので、興味津々でお手伝いに行ってきました。
温室(グリーンハウス)を設置した理由はFさんの趣味である観葉植物(多肉植物)を育成するスペースの確保でした。自宅内にも棚を設けて植物を育成しているのですが、数が増えてきたこともあって思いきって屋外のスペースを確保することにしたとのこと。

手軽なビニールハウスを設置するか頑丈な温室を建設するかで悩んだようでしたが、風などの影響による破損も考えてビニールハウスは却下。より強固な作りのしっかりした骨格を備えた温室を作ることに。そして庭のスペースから逆算してチョイスしたのが今回設置した温室(グリーンハウス)でした。

しかし簡易的なキットとはいえ、全長190mm×314㎜、全高は219㎜もあり、完成すれば結構な容積を持つ温室だけに、自力で建てることが可能か、ちょっと不安もあったようです。そこで助っ人として組み立てに参加したのでした。

強風で倒れないように
基礎部分には束石を埋設

キットが到着するといよいよ設置のための作戦開始です。いきなりキットを組み立てるのではなく、まずは下準備からスタートしました。準備したのは基礎部分です。キットの温室は重量約40kgなのですが、パネル面積も広く強い風を受けると飛ばされる危険があると感じたFさん、束石と呼ばれる礎石を土中に埋めて、ここに温室のベース部分を固定することでがっちり地面に固定することにしました。温室のベース部を仮に組み立てて、ここに合わせて10個の束石を土中に埋設、これで風が吹いてもびくともしない基礎が完成しました。

膨大なパーツ点数に及び腰ながら
説明書を見ながら製作スタート

基礎が完成するといよいよ温室の組み立てをスタートさせます。オーナーのFさんも私も温室の組立経験はゼロ。そのためいったいどの程度の時間が掛かるのかが見当も付きません。大きさと構造から想像すると半日~1日は掛かりそうという予測を立てました。そこで日没までには終わらせるために午前中の早い時間から組み立てをスタートさせます。組み立てに際して、工具類としては電動ドリルとボルトナットに適合するビット、さらには適合サイズのスパナなどを用意します。

海外製のキットでしたが日本語の組み立て説明書が付いているキットだったので、それにしたがって各パーツを組み立てていきます。主なパーツはアルミ製のフレーム、パネル面になる半透明の中空ポリカーボネート、そしてそれらを接合するための大量のボルト/ナットなどです。それぞれのパーツにはていねいに合い判が振ってあるため説明書と照らし合わせていけば組み立てられる仕組みです。ただし海外版を翻訳しただけの説明書なので、所々には??な部分もあり、自分たちで解釈する必要があるケースが出てきたのがちょっと戸惑いましたが、そこもなんとかクリア。

組み立て途中では自立しない
温室の構造に四苦八苦する

前面パネル、後面パネル、開閉扉、屋根のパーツ類など、最初に各部のパーツを組み立てていく作業から開始。当初は作ったパーツがどこに使われるのかも分からない状態で、とにかく説明書通りに黙々と組み立てて行きました。前後のパネルなどが完成するといよいよ基礎部分に対して温室を建てていく作業に移ります。しかし、ここからが温室組み立てで最大の難関となるポイントでした。

その理由は、しっかり自立する柱があるわけではなく、お互いのパネルが支え合って強度を出す構造なので、四方の柱とパネルが確実に固定されるまでは温室全体がグラグラの状態なのです。そのため各部のネジを締める際には柱やパネルを誰かが支えておく必要があります。これを2名でこなすのは少々無理があり、固定する間の支え要員として、もう1名の助っ人(奥さま)を頼むことになりました。これでもギリギリなので手助けは多い方が良いでしょう。

ようやく四隅の柱とそれを結ぶ桁部分(横架材)を仮設置したら、ようやく温室がなんとか自立したのでひと段落。ここまでに掛かった時間は4時間弱でした。本来ならば一気呵成に強固に固定される部分まで作り上げて行きたいのですが、慣れない作業でFさんも私も、適度に疲れていたのでここで休憩を取ります。せっかく作った構造部分が風で倒れないように周囲の柵などに紐で仮固定して、午後からの作業段取りも考えつつ昼食タイムに入りました。

後編へ続く